【令和8年度】介護報酬かんたん試算ツールを公開しました

〖令和8年度診療報酬改定〗訪問看護医療情報連携加算とは?算定要件・ICT要件・記録の実務対応まとめ

〖令和8年度診療報酬改定〗訪問看護医療情報連携加算とは?算定要件・ICT要件・記録の実務対応まとめ

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訪問看護医療情報連携加算とは、医療保険の訪問看護において、訪問看護ステーションがICTを用いて、医療機関・介護サービス事業者・相談支援事業者等と利用者の医療・ケア情報を共有し、その情報を活用して訪問看護の計画的な管理を行った場合に算定できる加算です。

令和8年度診療報酬改定で新設され、算定額は月1回1,000円です。他の保険医療機関等の関係職種がICTを用いて記録した利用者の診療情報等を活用したうえで、指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行った場合の評価として算定ができます。

この加算は、単に「チャットツールで連絡を取っている」「電子カルテを使っている」というだけで算定できるものではありません。
利用者の同意、連携機関とのICT共有体制、一元的に管理されたサーバー、常時閲覧できる仕組み、過去90日以内の情報取得、訪問看護側からの情報共有、届出などが重要です。

訪問看護医療情報連携加算の要点

確認項目内容
対象制度医療保険の訪問看護
新設時期令和8年度診療報酬改定
算定額1,000円/月
算定回数月1回
対象利用者訪問看護管理療養費を算定する利用者
主な目的ICTを活用した医療・ケア情報の共有と、訪問看護の計画的管理
必要な同意利用者からの同意
必要な体制連携機関とICTで診療情報等を共有し、常に確認できる体制
届出地方厚生局等への届出が必要
注意点情報を取得するだけでなく、訪問看護側も必要な情報を記録・共有する

訪問看護医療情報連携加算は、訪問看護ステーションが多職種の情報を活用し、より質の高い訪問看護計画・管理につなげるための評価です。

対象となる利用者

訪問看護医療情報連携加算の対象は、訪問看護管理療養費を算定する利用者です。

区分取扱い
医療保険の訪問看護対象
訪問看護管理療養費を算定する利用者対象
精神科訪問看護訪問看護管理療養費の要件を満たす場合は対象になり得る
介護保険の訪問看護対象外
訪問看護管理療養費を算定しない場合原則対象外

算定額

項目金額
訪問看護医療情報連携加算1,000円/月

訪問看護医療情報連携加算は、月1回に限り1,000円を算定します。

算定要件

訪問看護医療情報連携加算を算定するには、主に次の要件を確認します。

要件内容
利用者同意ICTを用いた情報取得・活用・共有について、利用者の同意を得ている
情報取得医療関係職種等がICTで記録した利用者の医療・ケア情報を取得している
情報活用取得した情報を、指定訪問看護の計画的な管理に活用している
情報共有看護師等が訪問看護を行った際の診療情報等を記録し、医療関係職種等に共有している
過去90日以内の情報訪問看護を行う場合に、過去90日以内に記録された医療・ケア情報をICTで1つ以上取得している
ICT体制連携機関とICTで情報を共有し、常時確認できる体制がある
届出訪問看護医療情報連携加算の施設基準を届け出ている

厚生労働省の改定資料では、医療関係職種等により記録された利用者の医療・ケア情報を取得・活用して計画的な管理を行うこと、看護師等が訪問看護を行った際の診療情報等を記録し、医療関係職種等に共有することについて利用者の同意を得ることが算定要件として示されています。

ICTで取得・共有する情報

訪問看護医療情報連携加算では、利用者の医療・ケアに関する情報をICTで取得し、訪問看護の計画的管理に活用します。

情報の種類具体例
診療情報病状、診療方針、検査結果、処方変更、医師の指示
看護情報訪問看護の実施内容、状態変化、観察項目、ケア上の注意
薬剤情報服薬状況、副作用、残薬、薬剤変更、服薬支援
介護情報ADL、介護サービス利用状況、ケアプラン上の課題
障害福祉情報相談支援、生活支援、家族支援、サービス調整
緊急時情報急変時の対応方針、連絡先、搬送判断、本人・家族の希望
ACP関連人生の最終段階における医療・ケアの希望、病状急変時の治療方針

この加算で重要なのは、単に情報を閲覧するだけでなく、取得した情報を訪問看護計画や日々の観察・支援に反映することです。

訪問看護側が記録・共有する内容

訪問看護ステーション側も、訪問看護を行った際の情報をICT上に記録し、関係職種と共有する必要があります。

厚生労働省資料では、記録する情報として次のような内容が示されています。

記録する情報内容
次回訪問予定日次回の訪問看護予定日
訪問看護計画の変更有無必要に応じて、計画変更の有無を記録
訪問看護計画の変更概要計画変更がある場合、その概要を記録
ケア上の留意点利用者のケアを行う際に共有が必要と判断した内容
人生の最終段階の希望利用者または家族等から取得した場合、医療・ケアや急変時治療方針の希望

訪問看護医療情報連携加算は、他職種から情報を受け取るだけの加算ではありません。訪問看護ステーションも、利用者の状態やケア上の留意点をICT上で共有し、多職種が同じ情報を見ながら支援できる状態を作ることが求められます。

連携機関とは

訪問看護医療情報連携加算では、訪問看護ステーションと複数の連携機関がICTで情報を共有する体制が必要です。

届出基準では、連携機関として次のような機関が示されています。

連携機関
他の保険医療機関診療所、病院、在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院など
居宅サービス事業者訪問介護、訪問入浴、訪問リハビリ、通所介護など
地域密着型サービス事業者定期巡回、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能など
居宅介護支援事業者ケアマネジャー、居宅介護支援事業所
施設サービス事業者介護老人保健施設、介護医療院等
指定特定相談支援事業者障害福祉サービスの相談支援
指定障害児相談支援事業者障害児支援に関する相談支援

さらに、訪問看護医療情報連携加算の施設基準では、特別の関係にあるものを除く連携機関が5以上であることが求められています。

施設基準

訪問看護医療情報連携加算を算定するには、施設基準を満たして届出を行う必要があります。

主な施設基準は次のとおりです。

施設基準内容
ICT共有体制連携機関とICTを用いて利用者の診療情報等を共有し、常に確認できる体制がある
一元管理サーバー記録された診療情報等が、連携機関間の協議に基づき、一元的に管理されたサーバーで保管されている
利用者同意利用者が同意した参加者のみに情報共有が行われる
参加者設定参加者の範囲を随時設定できる
常時閲覧参加者が保管された情報を常時閲覧・取得できる
時系列表示利用者ごとに情報が時系列で速やかに表示されるICTを用いる
情報共有機能参加者が常時必要な診療情報等を共有できる
画像・映像共有文字情報だけでなく、画像・映像共有等の機能を有するICTが望ましい
安全管理医療情報システムの安全管理に関するガイドライン等を参考にする
連携機関数特別の関係にあるものを除き、診療情報等を共有する連携機関が5以上
掲示ICTを用いた連携体制を構築している旨を見やすい場所に掲示し、原則としてウェブサイトにも掲載

届出基準では、診療情報等が一元的に管理されたサーバーに保管されること、利用者が同意した者のみが情報共有できること、参加者が常時閲覧・取得できること、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを参考にすることなどが定められています。

届出が必要

訪問看護医療情報連携加算は、新設された訪問看護療養費であり、算定には届出が必要です。

関東信越厚生局の届出ページでは、訪問看護医療情報連携加算は届出対象として掲載され、届出様式は別紙様式9とされています。

また、令和8年度改定で新設された訪問看護療養費については、令和8年6月1日以降の算定にあたり届出が必要とされています。通知でも、訪問看護医療情報連携加算は「新設された又は施設基準が創設された訪問看護療養費」に含まれています。

経過措置

訪問看護医療情報連携加算では、掲示事項のウェブサイト掲載について経過措置があります。

厚生労働省の改定資料では、令和8年9月30日までの間に限り、ウェブサイト掲載の基準に該当するものとみなすとされています。

項目内容
掲示ICT連携体制を構築している訪問看護ステーションである旨を、見やすい場所に掲示
ウェブサイト掲載原則として掲示事項をウェブサイトに掲載
経過措置令和8年9月30日まで、ウェブサイト掲載基準を満たすものとみなす

ただし、経過措置があるからといって、ICT共有体制や利用者同意、連携機関との情報共有体制が不要になるわけではありません。あくまでウェブサイト掲載に関する経過的な扱いとして理解しましょう。

訪問看護医療DX情報活用加算との違い

訪問看護医療情報連携加算と混同しやすいものに、訪問看護医療DX情報活用加算があります。

区分訪問看護医療情報連携加算訪問看護医療DX情報活用加算
主な目的連携機関とICTで医療・ケア情報を共有し、計画的管理に活用する
オンライン資格確認等を活用し、診療情報等を取得・活用する
主な相手医療機関、介護事業所、ケアマネ、相談支援等の連携機関
オンライン資格確認等システム
算定額1,000円/月
別の評価体系
重要な要件連携機関5以上、一元管理サーバー、常時閲覧、利用者同意
電子請求、オンライン資格確認、居宅同意取得型オンライン資格確認等
届出必要
必要

訪問看護医療DX情報活用加算は、オンライン資格確認等を通じた診療情報等の取得・活用を評価するものです。一方、訪問看護医療情報連携加算は、連携機関間でICTを用いて記録・共有された医療・ケア情報を活用し、訪問看護の計画的管理につなげることを評価します。

在宅患者連携指導加算との違い

在宅患者連携指導加算も、多職種連携に関係する加算です。ただし、評価している内容が異なります。

区分訪問看護医療情報連携加算在宅患者連携指導加算
主な評価ICTで共有された医療・ケア情報を活用した計画的管理
文書等で共有された診療情報を基にした療養上の指導
算定額1,000円/月
3,000円/月
必要な取組ICT共有、情報取得、情報記録、計画的管理
月2回以上の文書等による情報共有と、利用者・家族への指導
主な記録ICT上の情報取得・共有、計画変更、ケア上の留意点
情報提供日、情報内容、指導日、指導内容
性質ICT連携体制と計画的管理の評価
情報共有を踏まえた個別指導の評価

在宅患者連携指導加算は、共有された情報をもとに利用者・家族へ療養上必要な指導を行う加算です。訪問看護医療情報連携加算は、ICTで共有された情報を日々の訪問看護管理に活用する評価として整理すると分かりやすいです。

実務で想定される活用例

例1:薬剤師の情報を訪問看護計画に反映する

薬局がICT上に「眠気・ふらつきが出やすい薬が追加された」と記録。
訪問看護ステーションがその情報を確認し、訪問看護計画に転倒リスクの観察や服薬後の状態確認を追加。次回訪問時に、歩行状態や眠気の有無を確認し、その結果をICT上に記録する。


例2:ケアマネジャーの情報を共有して訪問看護の留意点を記録する

ケアマネジャーがICT上に「夜間の転倒不安が増えている」と記録。
訪問看護ステーションがその情報を確認し、夜間の動線、服薬状況、排泄状況を確認。訪問後に「夜間トイレ時はふらつきが強いため、家族へ見守りと手すり使用を説明」と記録し、関係職種に共有する。


例3:ACPに関する希望を共有する

利用者・家族から「急変時は自宅での療養継続を希望する」と確認。
訪問看護ステーションが、利用者の同意の範囲内で、人生の最終段階における医療・ケアや急変時の治療方針の希望をICT上に記録し、主治医やケアマネジャー等と共有する。

記録・管理で残しておきたい内容

訪問看護医療情報連携加算を算定する場合は、ICT上の記録だけでなく、事業所内でも算定根拠を確認できるようにしておくと安心です。

記録・管理項目内容
利用者同意ICTによる情報取得・活用・共有への同意日、同意範囲
連携機関情報共有している連携機関名、特別の関係の有無
ICTシステム使用しているシステム名、サーバー管理、閲覧権限
情報取得記録過去90日以内に取得した医療・ケア情報
情報活用記録訪問看護計画や観察項目に反映した内容
訪問看護側の記録次回訪問予定、計画変更、ケア上の留意点等
参加者設定情報共有範囲、利用者が同意した参加者
掲示・ウェブ掲載ICT連携体制に関する掲示、ウェブ掲載
届出書類別紙様式9、届出受理状況

請求時に注意したいポイント

1. ICT共有体制があるだけでは不十分

ICTツールを導入しているだけでは算定できません。
利用者の医療・ケア情報を実際に取得し、訪問看護の計画的管理に活用し、訪問看護側からも必要な情報を記録・共有していることが重要です。


2. 過去90日以内の情報取得を確認する

訪問看護を行う場合、過去90日以内に記録された医療・ケア情報をICTで1つ以上取得している必要があります。
「誰が」「いつ」「どの情報を記録したか」を確認できるようにしておきましょう。


3. 連携機関が5以上あるか確認する

施設基準では、診療情報等を共有している連携機関が、特別の関係にあるものを除いて5以上であることが求められます。


4. 利用者同意の範囲を明確にする

情報共有は、利用者が同意した参加者のみに行われる必要があります。
どの機関・どの職種・どの家族に共有するかを、利用者の同意範囲として明確にしましょう。


5. SNS・チャットだけの運用に注意する

施設基準では、診療情報等が一元的に管理されたサーバーで保管され、常時閲覧・取得できることが求められています。
一般的なチャットアプリやSNSだけで運用する場合、医療情報の安全管理、権限管理、記録保存、時系列表示などの要件を満たすか慎重に確認が必要です。


6. ウェブサイト掲載の経過措置を確認する

ICT連携体制に関する掲示事項は、原則としてウェブサイトにも掲載します。
ただし、令和8年9月30日までは経過措置があります。

訪問看護遠隔診療補助料の解釈通知など

訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法

08 訪問看護物価対応料(1日につき)
1 訪問看護物価対応料1(1日につき)
イ 月の初日の訪問の場合 60円
ロ 月の2日目以降の訪問の場合 20円

2 訪問看護物価対応料2(1日につき) 20円

注1 1については、訪問看護ステーションが、区分番号02の訪問看護管理療養費を算定している利用者1人につき、訪問看護物価対応料1として、区分に従い、それぞれ所定額を算定する。
2 2については、訪問看護ステーションが、区分番号04の包括型訪問看護療養費を算定している利用者1人につき、訪問看護物価対応料2として、所定額を算定する。
3 1及び2に規定する所定額については、令和9年6月以降は、当該所定額の100分の200に相当する額を算定する。

訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保発0305第19号)

(10) 連携訪問看護管理療養費の注14に規定する訪問看護医療情報

イ 在宅での療養を行っている利用者であって通院が困難なものの診療情報等について、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて常時確認できる体制を有し、関係機関と平時からの連携体制を構築していること。

ロ 診療情報等を活用した上で指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。

ハ イに規定する連携体制を構築している訪問看護ステーションであることについて、当該訪問看護ステーションの見やすい場所に掲示していること。

ニ ハの掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。

訪問看護療養費に係る訪問看護ステーションの基準

(10) 連携訪問看護管理療養費の注14に規定する訪問看護医療情報

イ 在宅での療養を行っている利用者であって通院が困難なものの診療情報等について、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法を用いて常時確認できる体制を有し、関係機関と平時からの連携体制を構築していること。

ロ 診療情報等を活用した上で指定訪問看護の実施に関する計画的な管理を行うにつき十分な体制が整備されていること。

ハ イに規定する連携体制を構築している訪問看護ステーションであることについて、当該訪問看護ステーションの見やすい場所に掲示していること。

ニ ハの掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載していること。

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