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中重度者ケア体制加算は、通所介護、地域密着型通所介護、通所リハビリテーションで、中重度の要介護者を受け入れるための職員体制を整えている事業所を評価する加算です。
まず確認したい結論は、次の3点です。
ポイント
- 通所介護と地域密着型通所介護は、1日につき45単位を加算します。
- 通所リハビリテーション、いわゆるデイケアは、1日につき20単位を加算します。
- いずれも「要介護3以上の利用者割合が30%以上」「基準人員に加えた看護職員または介護職員の配置」「サービス提供時間帯を通じた専従の看護職員1名以上」が中心要件です。
利用者本人が要介護3以上かどうかだけで判断する加算ではありません。事業所全体として中重度者を受け入れる体制があるかを確認し、体制届、勤務表、利用者割合の計算書、日々の配置記録をそろえてから請求します。
中重度者ケア体制加算の要点
| 確認項目 | 通所介護・地域密着型通所介護 | 通所リハビリテーション |
|---|---|---|
| 加算の趣旨 | 中重度の要介護者を受け入れる通所介護体制の評価 | 中重度の要介護者を受け入れる通所リハ体制の評価 |
| 単位数 | 45単位/日 | 20単位/日 |
| 主な対象サービス | 通所介護、地域密着型通所介護 | 通所リハビリテーション |
| 利用者割合 | 要介護3・4・5の利用者が30%以上 | 要介護3・4・5の利用者が30%以上 |
| 追加で必要な職員数 | 基準上の看護職員または介護職員に加え、常勤換算で2以上 | 基準上の看護職員または介護職員に加え、常勤換算で1以上 |
| 看護職員の配置 | 提供時間帯を通じて、専らサービス提供に当たる看護職員を1名以上 | 提供時間帯を通じて、専らサービス提供に当たる看護職員を1名以上 |
| 届出 | 算定前に体制届が必要 | 算定前に体制届が必要 |
| 主な届出書類 | 体制等状況一覧表、別紙22、別紙22-2 | 体制等状況一覧表、別紙22、別紙22-2 |
| 注意点 | 共生型通所介護費を算定している場合は算定不可 | 通所介護と職員上乗せ数が異なる |
対象となるサービス
中重度者ケア体制加算を算定できるサービスは、次の3サービスです。
- 通所介護
- 地域密着型通所介護
- 通所リハビリテーション
通所介護・地域密着型通所介護の算定要件
通所介護と地域密着型通所介護では、主に次の要件を満たす必要があります。
| 要件 | 実務で確認すること |
|---|---|
| 職員の上乗せ配置 | 人員基準上必要な看護職員または介護職員に加え、看護職員または介護職員を常勤換算で2以上確保しているか |
| 中重度者割合 | 前年度または算定日が属する月の前3月間で、要介護3・4・5の利用者割合が30%以上あるか |
| 看護職員配置 | 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該サービス提供に当たる看護職員を1名以上配置しているか |
| 届出 | 体制等状況一覧表で「あり」とし、別紙22・別紙22-2を添付しているか |
| 共生型の確認 | 共生型通所介護費を算定していないか |
特に間違いやすいのは、常勤換算2以上の職員配置と、提供時間帯を通じた看護職員配置を混同する点です。常勤換算の上乗せ職員を確保していても、営業日ごとのサービス提供時間帯に専従の看護職員が1名以上いない日は、算定根拠が崩れます。
地域密着型通所介護も考え方は通所介護と同様ですが、届出先は市町村等になります。市町村によって提出様式、電子申請届出システムの扱い、添付資料の指定が異なるため、公開前・算定前に指定権者のページで確認してください。
通所リハビリテーションの算定要件
通所リハビリテーションでは、通所介護と似た要件ですが、職員の上乗せ数が異なります。
| 要件 | 実務で確認すること |
|---|---|
| 職員の上乗せ配置 | 基準上必要な看護職員または介護職員に加え、看護職員または介護職員を常勤換算で1以上確保しているか |
| 中重度者割合 | 前年度または算定日が属する月の前3月間で、要介護3・4・5の利用者割合が30%以上あるか |
| 看護職員配置 | 指定通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、専ら当該サービス提供に当たる看護職員を1名以上配置しているか |
| プログラム | 中重度の要介護者に対しても、リハビリテーションを計画的に実施する体制があるか |
| 届出 | 体制等状況一覧表で「あり」とし、別紙22・別紙22-2を添付しているか |
通所リハビリテーションでは、重度療養管理加算、短期集中個別リハビリテーション実施加算、リハビリテーションマネジメント加算など、似た場面で確認する加算が多くあります。中重度者ケア体制加算は「事業所の受け入れ体制」を見る加算であり、個別のリハビリ内容だけを評価する加算ではありません。
中重度者ケア体制加算の取得単位
| 通所介護 | 45単位/日 |
| 通所リハビリテーション | 20単位/日 |
要介護3以上30%の計算方法
中重度者ケア体制加算では、利用者のうち要介護3、要介護4、要介護5の人が30%以上であることを確認します。
届出書類では、利用実人員数または利用延人員数を使って割合を算出します。どちらを使うか、前年度実績で見るか、届出月の前3月実績で見るかは、届出書類と指定権者の案内に合わせます。
| 確認手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 算定期間を決める | 前年度実績または届出月の前3月実績を確認する |
| 2. 分母を出す | 期間中の利用者総数を出す |
| 3. 分子を出す | 期間中の要介護3・4・5の利用者数を出す |
| 4. 割合を計算する | 要介護3以上の利用者数 ÷ 利用者総数 × 100 |
| 5. 記録を残す | 別紙22-2、利用者一覧、介護度確認資料、計算根拠を保存する |
たとえば、前3月間の利用延人員数が600人、そのうち要介護3以上が192人であれば、192 ÷ 600 × 100 = 32%です。この場合、30%以上の要件は満たします。
一方で、翌月以降に直近3月間の割合が28%台に下がった場合は、要件を満たしているとは扱えません。前3月実績で届出した事業所は、届出後も直近3月間の割合を毎月確認し、割合を下回った場合は速やかに変更届や算定停止の手続きを確認します。
請求時に確認したいポイント
中重度者ケア体制加算は、単位数だけを登録すれば終わりではありません。請求前に、次の順番で確認すると不備を減らせます。
- 指定権者へ体制届を提出し、算定開始月が確定している
- 算定月の勤務表で、上乗せ職員数と看護職員配置を確認している
- 要介護3以上30%の割合を毎月確認している
- 中重度者への支援内容が通所介護計画・通所リハビリテーション計画、日々の記録とつながっている
- サービスコード表や請求ソフトで、該当サービスの加算コードを選択している
- 算定できない日、届出前の月、要件を下回った月を請求していない
請求ソフトや記録ソフトを使っている場合は、体制情報、加算開始月、職員配置、利用者割合の管理を分けて確認します。特に、月途中の職員退職、看護職員の休職、利用者の介護度変更があると、要件確認が抜けやすくなります。
介護記録を電子保存している事業所は、勤務表、サービス提供記録、計画書、加算届出資料の保存場所をそろえておくと、運営指導時に説明しやすくなります。電子保存の考え方は、関連記事「介護施設での電子保存の要件やポイントまとめ」も参考になります。
似ている加算との違い
中重度者ケア体制加算は、他の加算と名前や対象者が重なりやすい加算です。特に通所介護と通所リハビリテーションでは、次の違いを押さえておきます。
| 加算・制度 | 主に見るもの | 中重度者ケア体制加算との違い |
|---|---|---|
| 認知症加算 | 認知症高齢者の日常生活自立度、認知症対応体制 | 認知症の状態像を中心に見る加算。通所介護では要件を満たせば中重度者ケア体制加算と併算定できる扱いがあります |
| 重度療養管理加算 | 通所リハビリテーションで医学的管理を要する利用者 | 利用者の医療的状態を中心に見る加算。中重度者ケア体制加算は事業所の受け入れ体制を評価します |
| ADL維持等加算 | 利用者のADL維持・改善の評価 | 体制配置ではなく、評価対象期間やADL利得を確認する加算です |
| サービス提供体制強化加算 | 介護福祉士割合、勤続年数、職員体制 | 中重度者の割合や看護職員配置とは別の職員体制評価です |
| 短期集中リハビリテーション実施加算 | 退院・退所後などの集中的な個別リハビリ | 通所リハビリテーションで確認する加算ですが、中重度者受け入れ体制とは目的が異なります |
認知症加算については、対象者や届出書類が異なります。中重度者ケア体制加算とあわせて確認する場合は、利用者割合の計算書、届出書類、サービスコードを混同しないようにします。
通所リハビリテーションで短期集中リハビリテーション実施加算も確認している場合は、関連記事「短期集中リハビリテーション実施加算とは?算定要件とポイントまとめ!」もあわせて確認してください。
っていなければ、返還や過誤調整のリスクがあります。請求担当だけでなく、管理者、生活相談員、看護職員、リハビリ職が同じ確認表を使うと運用しやすくなります。
Q&A
- デイケアでも中重度者ケア体制加算は算定できますか?
- 算定できます。通所リハビリテーション、いわゆるデイケアにも中重度者ケア体制加算があります。
ただし、通所介護とは単位数と職員上乗せ数が違います。通所介護は45単位/日で常勤換算2以上の上乗せ、通所リハビリテーションは20単位/日で常勤換算1以上の上乗せです。
- 要介護3以上の利用者だけに算定する加算ですか?
- 利用者個人だけで判断する加算ではありません。事業所全体で要介護3・4・5の利用者割合が30%以上であることなど、体制要件を満たしているかを確認します。
要件を満たす事業所では、事業所を利用する利用者全員に算定できる扱いがあります。ただし、サービス種別、算定開始月、請求コード、利用者の利用日数に誤りがないかは請求前に確認してください。
- 看護職員は機能訓練指導員などと兼務できますか?
- 加算要件上の看護職員は、サービス提供時間帯を通じて、専ら当該サービス提供に当たる必要があります。算定根拠として見る時間帯では、別職務との兼務扱いにしない運用が安全です。
勤務表では、看護職員がどの時間帯に、どのサービスに、どの職務で配置されているかを説明できるようにしておきます。
- 15日までに届出すれば、いつから算定できますか?
- 通常、単位数が増える加算の届出は、毎月15日以前に届出がなされた場合は翌月から、16日以降の場合は翌々月から算定開始となります。
ただし、電子申請届出システムの利用状況、自治体の締切、補正の扱い、休日による前倒しなどは指定権者ごとに異なります。請求前には、提出日ではなく「算定開始月」が確定しているかを確認してください。
中重度者ケア体制加算の解釈通知など
9 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定通所介護事業所が、中重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、指定通所介護を行った場合は、中重度者ケア体制加算として、1日につき45単位を所定単位数に加算する。ただし、注5を算定している場合は、算定しない。
通所介護費における中重度者ケア体制加算の基準
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
イ 指定居宅サービス等基準第九十三条第一項第二号又は第三号に規定する看護職員又は介護職員の員数に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法(指定居宅サービス等基準第二条第八号に規定する常勤換算方法をいう。第十七号、第三十一号及び第三十九号の三において同じ。)で二以上確保していること。
ロ 指定通所介護事業所における前年度又は算定日が属する月の前三月間の利用者の総数のうち、要介護状態区分が要介護三、要介護四又は要介護五である者の占める割合が百分の三十以上であること。
ハ 指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供に当たる看護職員を一名以上配置していること。
19 別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして都道府県知事に届け出た指定通所リハビリテーション事業所が、中重度の要介護者を受け入れる体制を構築し、指定通所リハビリテーションを行った場合は、中重度者ケア体制加算として、1日につき20単位を所定単位数に加算する。
通所リハビリテーション費における中重度者ケア体制加算の基準
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。
イ 指定通所リハビリテーション事業所の看護職員又は介護職員の員数(指定居宅サービス等基準第百十一条第一項第二号イ又は同条第二項第一号に規定する要件を満たす員数をいう。)に加え、看護職員又は介護職員を常勤換算方法で一以上確保していること。
ロ 前年度又は算定日が属する月の前三月間の指定通所リハビリテーション事業所の利用者数の総数のうち、要介護状態区分が要介護三、要介護四又は要介護五である者の占める割合が百分の三十以上であること。
ハ 指定通所リハビリテーションを行う時間帯を通じて、専ら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護職員を一名以上配置していること。
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編集長
さく
介護事業所の請求や事務業務などに携わっています。

